LLLで人生が変わった
ぼくの知り合いで、以前DVDで「ポジティブな悪魔たち」を観たけれど、
今回「LLL」で、生で初めてぼくの芝居を観てくれた人がいます。
後日談として、
その人は、他の客が笑っている中、シクシクと泣いていたといいます。
どうしてかというと、自分がこんなにも楽しく喜べるものがあるなんて知らなかったというのです。
「■■年間、なんでこんなものがあることを知らなかったんだろう」と思っていたそうです。
全てが素晴らしくて、一瞬も見逃せなくて、役者たち皆キラキラ輝いていて、全身で表現されていて、
心が激しく動かされて、泣いていたそうです。
その人は、ずっと過酷な労働環境で、残業100時間とかザラな会社に勤めてきたのですが、
この「LLL」を観てから、もう本当に耐えられなくなって、「自分の人生はこんなんじゃない!」
と新たな道を進みたい願望が、途方もなく大きくなったといいます。
その人は、会社を辞めて、きっと自分が心から幸せに感じられる仕事をするようになるでしょう。
こうやって、人の心に届き、行動が変わるきっかけになったり、
人生が変わるきっかけになったりするのは、
演劇をやっていてとても嬉しいことです。
素晴らしい醍醐味だと思います。
それだけに、もっと多くの人に届けられるように、日々研鑽しつつ、
試行錯誤と努力を続けていかなければなりませんね。
ちなみに、その人曰く、「ポジティブな悪魔たち」DVDは鬱っぽくなってた
友人に「これでも観て笑って」とあげたそうです。
その後、「ポジティブな悪魔たち」がどれだけきっかけになったかは
わからないけれど、友人は鬱から立ち直ったそうですよ。
第13回公演「LLL~恋の骨折り損~」終幕
終わりましたねー。
「LLL~恋の骨折り損~」
またバタバタしてくる前に振り返っておこうと思います。
色々と難のある原作「恋の骨折り損」を改善させること。
そして、日本のシェイクスピア上演・シェイクスピア翻訳の際の問題点を解消させること。
この二つを充分に達成できたと思います。
高尚な感じのシェイクスピアを期待する人はおあいにくさま。
シェイクスピアの喜劇は、元々高尚じゃないし、真面目な顔して、すまして観るものではありません。
作品をよくみれば分かるように、結構馬鹿馬鹿しいです。
ですから、今回の「LLL」はかなり、シェイクスピアの喜劇として踏襲しながら、現代化させています。
言葉遊びや韻律に関しては、英語の原作にかなわないけれど、
日本語としての面白さを引き出すと共に、現代劇としてのテンポアップに成功していると思います。
翻訳だと、どうしても無理が出ますが、日本語でシェイクスピア流にすれば解決するのです。
言葉のセンス、劇作家としての力量が相当必要にはなりますが。
ホロファニーズなどの脇役を抹消させることで、
四対四の恋愛も、かなり際立ったと思います。
観客や知り合いからも、脚本は「すごいですねー」といわれました。
出演と兼ねているので、相変わらず大変でしたが、
役者がよくやってくれましたよ。
ぼくの演出は、見えざる手で導いていくもの。
システムが彼らを連れて行きます。
最終的にはぐっといい演技になりました。
全体的な調和も取れていたし、心配していたテンポ&リズムもよくなっていきました。
ほとんど毎回通してランニングタイムが同じでしたね。
アドリブは毎回様々でしたけど。
もう少しお金をかけて、上演したいものです。
半数がオーディション参加でしたけど、
皆、志高く、熱意があり、内部の者が刺激を受けたくらいでした。
裏方作業も兼任ですけど、みんなよく自発的に仕事してくれました。
アクティングスクールだと、どうしても受け身になりがちなのですが、
外でやってきた人は、かなり能動的でしたね。
キャスティングには大いに苦労し、とても時間がかかりましたが、
最終的には、ピッタリの役者たちに出会いました。
人間的にもいい人たちで、途中降板騒ぎもありましたが、
禍を転じて福となす、といったところでした。
個人的にファーディナンドの演技は、特に苦労するところもなく、
正直楽でした。
なにが大変かっていうと、ハードスケジュールの中、自主練をする時間がないので、
(演出していると、つきっきりですから合間の時間がない)台詞覚えなどがついていけるかという点でしたね。
楽しく出来たし、毎回アドリブを入れて、自由に、クリエイティブに出来たので満足しています。
役者は、自分の人生の中で充分経験となったので、
もういいかなと思っています。
少なくとも演出との兼任は、これが最後になると思います。
舞台監督&音響の零's Record林さんとは、2009年から
照明のツノさんとは2001年から
美術のmorriさんとは2010年からの付き合いです。
今回も馴染みのメンバーという感じです。
本当は、もっと入念に打ち合わせしたかったのですが、
結構お任せになっているのが、課題点ですね。
美術は、本当に時間がなかったです。
3日連続でうちのスタジオで製作でしたけど、
もっと計画的に進めないといけないと痛感しました。
ぼくが稽古で手一杯だったので、アシストもあまり出来なかったですね。
小屋入りしてからも、修正の連続でした。
美術は、転換が問題だったので、それを解決するために、
いろいろと知恵を出し合ったものです。
スタッフに関しても、もっと予算を出して、しっかりとしたものを創っていきたいですね。
今後は白紙です。
とにかく、今のように、役者がお客を呼んで、というスタイルは意味がないので、
多くの人に届けられるようにしていきたいです。
しかしながら、広告宣伝をしても、一般客が来ない状態。
どうすれば、身内ではなく、一般の人が来てくれるかなぁと思案しています。
観た人は、斜に構えている人や、宗教のように自分の演劇観譲らない人以外は、
絶賛でした。特に、外国人のお客さんは、いつも見る目があるなと思いますが、いずれも高い評価でした。
外国人の人は、日本の変なドラマや映画、芝居に結構呆れてしまっている人が多いので、
なおのこと、うちの舞台は高く評価されるのです。
観た人は、ものすごく喜んでもらえるだけに、観る前にいかに興味を与え、
チケットを買うという行動までもっていけるのか、色々な方策が必要だなと思いました。
「人形の家」「令嬢ジュリー」「ドン・カルロス」など、これまで上演した海外著名作品の現代劇化は
世界でも通用するはずなので、世界(特に欧州)に出て、売り込み、上演していきたいですね。
たぶん、海外で箔を付けてしまえば、日本でもお客を呼ぶ神通力となるでしょうから。
さぁ、新しい創造に精を出そう。
LLL~恋の骨折り損~3日目まで終了
長い間取り組んできた舞台「LLL~恋の骨折り損~」もまもなく終演となります。
土曜日までで3日目が終了。
残すところは日曜日のPM1:00の回のみです。
かなり好評を頂いております。
笑えた! 面白い! 楽しかった!
ありがたいことです。
トップ写真は、本日の昼公演と夜公演の間に、舞台面でくつろいでいる役者たちです。
こちらは、モスとコスタードが、なんども練習。この二人、本当に仲がいいし、息が合ってる。 みんな運命的に出会った人たちです。 オーディションなのに、こんなにもピッタリ合った人たちが集まりました。
色々な人の引き寄せ、繋がりを感じます。
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