5/28 スタニスラフスキーマスターコース

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hiroshiです。スタニスラフスキーのレッスン、前回の「緊張と緩和」に続き、今回は「緊張と解放」についてです。

稽古を積むことによって本番でもあまり緊張しなくなる方ですが、舞台の上では予期しないことが起こります。例えば、自分や相手の台詞が飛んだり間違えた時…つい先日の通し稽古中、目の前の相手が台詞を忘れたように見えたので、相手の台詞を思い出して教えようとしたところ、自分の台詞を忘れてしまいました(笑)。それまで何事もなかった自分の台詞が出てこなくなり…止められない通し稽古だったため、頭の中が真っ白になりました。舞台袖の仲間からプロンプを入れてもらい、難を逃れましたが、お客さんを目の前にした本番だったらどうなったことでしょう…。俳優にとってほどよい緊張感は役に立ちますが、演技中に起こりうる予期せぬトラブルに冷静に対処するためにも、過度に緊張しない落ち着いたメンタルが必要だと感じています。

そんなわけでまずは、ゆるい緊張について…二人一組に立ちます。一人がもう一人の手足や首、胴体を動かし、人形の様にポーズを作っていきます。何でもないことのように見えますが、自分の身体や筋肉の状態、緊張感を意識するのがポイントです。

次にリラックス。同じく二人一組になり、一人が寝転んで完全に脱力します。もう一人が手足を動かし、寝ている状態でポーズを作ります。といっても今度は完全に脱力した状態です。寝転んだ相手の手足を曲げたり伸ばしたりしながら、同じく床に寝そべるようにしてポーズを作ったり、体を仰向けにしたりうつ伏せにしたり、またもう片方の組の寝ている一人と、ロダンの彫刻のように二人のポーズの絡み合いを創作したりもしました。

最後は即興によるスピーチをやりました。一人が皆の前に立ち、テーマを与えられ、一分間、そのテーマに沿って即興でスピーチしなければなりません。これは慣れていないと緊張します。その緊張感を自分で観察(モニタリング)します。自分がどの様な状態なのかを意識するのがポイントです。スピーチ中の緊張感は無意識に身体に現れます。腕が動く、首が動く、身体が揺れる、瞬きをする等、人によって様々です。一分後、周りから外見上どんな状態だったのか指摘を受けた上で、再度交代しながら即興スピーチにチャレンジ。自分の癖を意識しながらこのルーティンを繰り返し、皆スムーズにできるようになっていきました。

多かれ少なかれ感じる演技中の緊張感。ほどよい緊張感を上手く利用できればよいのですが、緊張が強すぎる場合、そこから解放するテクニックも必要だと感じました。