GKK番外編

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現在GKKは完全休止状態ですが個人的にこんな本を読んでみました。

デヴィッド・ボール著
「戯曲の読み方~戯曲を深く読み込むために~」
Backwards and forwards~A Technical Manual for Reading Plays~

舞台に関わるすべての人に向けた大変わかりやすい本だと思います。

3部構成で、戯曲の構造やどのようにして戯曲が観客を惹き付けているかといったことが書かれています。

興味を持った人には読んでもらいたいので詳細までは書きませんが、とくに登場人物の『行動』に留意するよう書かれています。

SψWのスタニスラフスキーでやった行動の連鎖に重点がおかれています。

ただ、インプロなどでは目的・理由からフローチャートのように行動が生まれていきますが、既に書かれている戯曲を読解する上ではそれを逆からたどる、というところが面白かった。

「なぜ」このような行動がうまれたか。それを後ろからたどることでより深く読み込んでいくことができるようです。

台詞ではなく行動を見る理由というのもわかりやすくてよかったです。

登場人物は嘘をつくかもしれませんから。

いつも別役さんの言う「台詞は氷山の一角」という言葉を思い出しました。

全体的には、いくらか演劇をやってきた人ならなんとなくわかっている内容ですが、改めて確認の意味で読むにもいい本だと思います。

古典が苦手な人や感覚的に戯曲を読んでしまう人、台詞を追ってしまう人、目次を読んで本を読んだ気になってしまうタイプの人は読んでみるといいと思います。

えづらでした。