アドヴァンスクラス 11.24 人は自分でも気づかない固定された考えを持っている。

2
1285

雲ひとつない青空!気持ちのいい秋晴れですね。井上です。

現在クラスで稽古している「OUT OF IDEA~どうする~」も、実際に演じる段階に入ってきました。

自分は蛯谷という人物をメインに稽古していきますが、これがなかなかの難物。
バカっぽくて、根暗な感じもあるけど、変に積極的になったり、とにかく普通から外れた発言をするキャラなんですが、これをシーンの緊張感などを壊しすぎずに正当化していく方向性がどうもつかみずらい。

とりあえず、今まではとあるセリフで示されている内容から、意図的にバカになろうという考えを持った人物としてやっていましたが、どうも傍目にはあまりにシーンの空気にそぐわない様子。実際、自分でもちょっと無理してる感は否めず。
各々、全体としても空気感の統一がなされていなかったようで。みんな難しい表情。

後半、演出からの一つの指示が出ました。
とにかく全員で「真面目に」シーンの状況に向かうこと。
結果は上々、シーンとしてのまとまりが出てきました。

私は、「今までの稽古で出来てきた蛯谷」が、真面目に話し合いに参加しているものとして演じましたが、これはなかなかしっくりときて面白い感じになりました。

そこの体験から気づいたことですが、どうも自分は蛯谷のあるセリフにこだわって「バカをやろう」という部分にフォーカスしすぎて「やりすぎ」になっていたようです。
そもそも蛯谷のそのセリフは「バカをやろう」ではなく「バカでもいい」と言ってるだけで、そこまで積極的にバカになろうとしているわけでもないんですよね。

それまでの蛯谷のバカっぽい言動から、私はそれ(バカ)を演じねばと力が入っていましたが、それではいつまで経っても違和感は消えなかったでしょう。

振り返ると、「真面目に」の指示があったときの私は
「真面目にとは言っても別にそれまで作った役を捨てるわけでもだろう。蛯谷は蛯谷なんだし、真面目くさってはいるけど、根は今までのバカな奴でいいよな」
という考えで演じていました。
そう、まさに「バカでもいい」の考えだったのです。気づかずに蛯谷の本当のスタンスに立っていました。
それでもバカをやろうの考えは残っていたことでしょうが、かなり近づけたとも思います。

読んだ直後はまだ「バカでもいい」の部分を「バカであろうとしている」と解釈していたので、いまいちその部分の正当化が・・・と思っていましたが、どうもそれは問題にはならなさそうです。
自分でも気付かなかった固定観念がひとつ崩されて、役作りに関して選択肢が増えたように感じます。

体験から気づきを得て、それまでの習慣的な反応(やり方)を抑制してより良い方向性を探る。
なんだかとてもアレクサンダーテクニーク的なんじゃないかなと思い、それが演技の場面で自然に現れたことでちょっと楽しくなりました。

話は変わりますが、『自分は知っている、という考えはその人を本当の学びから遠ざける』とかなんとか、そんなような言葉を、最近ふと身にしみて感じました。
知っている、わかっている、どうせああなる、それならもう済んだ事、こうしなきゃいけないに決まっている、あいつは分かってない・・・・・・本当に?

来週もよい気づきがありますよう。ではでは。

稽古中重い空気

一体なにがロウソクバージョン

内山の過去理性を捨てて、動物的感性を取り戻せ

2 コメント

Comments are closed.