サマーワークショップ2010 8/8

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昨日、8月8日のサマーワークショップに参加してきました。イノケンです。

ワークショップで何をやったのは昨日のすいちさんの記事のとおり。
ラクーアでの人間観察と、各々の観察結果の発表、特にクローズアップして観察した人のちょっとした日常の中でのドラマの再現です。

今回スクール生以外の人で、普段から人間観察を研究としてよくしているという方がいらっしゃいました。その人は、普段「行動」を中心に観察したいたけれど今回は「感情」を読み取るように観察したことが新鮮でありまた難しかった、という事を言ってました。なるほど。
今回は様々な人のポジティブだったりネガティブする感情を読み取り、その感情が表情や仕草など身体の何処に現れているのかを見つける事をしました。内面の感情と表面の行動とを今回のように繋ぎ合わせて観察するというのはある意味俳優としての人間観察ならではだったのかもしれません。
多くの人は大人になるつれて感情をストレートに表に出すことをしなくなりますから、他人の感情を読み取るというのはそれが特に自分とまったく関係のない通りすがりの赤の他人であればなかなか難しいことでしょう。

私はラクーアで割と大雑把な感じに沢山の人を観察していたのですが、終わってみて感じたことは、その「場所」における普遍的な感情・空気がある、ということでした。
ラクーア全体で言えばやはり「楽」の感情がそこにいる多くの人にみられましたし、同じように多かったのは遊び疲れや暑さからくるであろう「疲労」の色でした。
すこしクローズアップした部分でいうと、ウォーターコースターの乗り場では、これからアトラクションが始まる「期待」と船に乗り込んだ際のふわふわとした揺れからくるであろう「不安」がその場を支配する感情・空気であったように思います。
多種多様な人の各々の感情はもちろん完全に一様になることはないけれど、その場所を支配する特徴的な感情・空気が確かにあるようでした。
短い時間での観察だったので時間の経過における変化はわかりませんでしたが、これが夜ともなればまたもうちょっと違う感情・空気になってくるのだろうと思います。

後半の、観察した対象の再現シーンアクティングでは、外からつつかれた時の反応が特に難しかったと感じました。すいちさんも書かれてますが、瞬間瞬間の反応にどうしても地が出てくるのがいかんともしがたいところでした。
私は東京ドームの外にいた警備員にターゲットを決めて観察し、演じました。自分が実際に観察した部分を一人で演じる分にはまあまあそれらしくできたろうと思います。しかし、他の人からつつかれるとどうも地が出てきます。「警備員としての自分」にはなれたかと思いますが「自分が観察したあの警備員」ではなくなってしまったでしょう。
もちろん、俳優だって本当に「他人」になんかなれる訳ではないのですが、もっと事細かに観察・分析し内面などの見えない部分は「想像力」で補うことでさらにその人物に近づいていくことはできたろうと思います。これは「役作り」と似ていますね。
まあ、あんまりガン見して観察できる状態ではなかったし時間も少なかったから仕方の無い部分もあるでしょうが…。

なんにしても有意義なワークショップでした。
実はそこまで期待して参加したわけでもなかったのですが、新鮮な体験が今までの経験・知識と結びついて良い刺激を得られました。