先日の25日に「特別体験マイケルチェーホフ テクニックWS」が行われました。
※生徒ブログに講師が乱入の書き込みです。
今回のテーマは「Movement & Image」(動きとイメージ)。この二つはチェーホフのテクニックで根幹を支えるキーワードになります。
「動き」というと舞台上での動き(アクション)を連想すると思いますが、ザックリいうと「身心の動き」を指します。舞台上で心と体がつながっていないなぁ、表面的な演技だなぁと感じることがあると思います。それは「心身の動き」、心の動きと体の動きがズレているんです。
今回のWSではその心と体のズレを、一致させることをまずしました。これって、ちょーシンプルだけど、途端演技になるとズレちゃうんですよね。
あと今回、特に重きを置いたのは「聞くこと」です。演技はアクションからではなく、「感じること」「聞くこと」からはじまります。アイスが欲くて買うのは、アイスを見たり、夏の暑さを感じたりすることから始まります。
当然ですよね。
これは会話でも、疲れている人見て、「大丈夫?」という声かけが生れ、音楽を聴いて、「素敵だね。」って言えるわけです。舞台でも同じです。
チェーホフのテクニックでは「Radiating & Receiving」(投げる&受ける)というものがあります。これをキャッチボールで学んでいくのです。相手からのボール受け取ることが楽しめれば、このキャッチボールはいつまででも続けれるワークです。
このキャッチボールを、言葉を使ってやれるよに発展させていき、相手を「聞く」ことが舞台上でもできるようにしていきました。
「聞く」ことが出来ているペアの演技は、自然で、惹きつけられます。お互いの演技の意図を聞けるので、全体の演技が積みあがっていく感じがします。
しかし一応にみんな「聞くこと」が苦手でした。
なぜかと言うと「聞く」って怖いこと、リスクを冒すことなんだという事です。重要だとわかっていてもできないんです。
なぜ怖いのかと後で考えると、「聞くことで、自分が変化させらえるのが怖い。」ということだと思いました。
人の話に耳を傾けることで、体は変化をしてしまいます。悩み相談をのっていたら、自分まで憂鬱になるように「聞く」=「変化すること」なのだと思います。
舞台上だと相手を聞くことで、どう自分が変化するのかわかりません。なので、なんとなく聞いている感じ、タイミングだけ感じて、次にやる自分のアクションやセリフにばかり集中します。これは面白くもなんともない。
「聞くこと」は勇気のいることだし、リアルなリアクションに繋がるものです。それだけ惹きつけれられるのです。
今回の参加者の人は皆その点を理解してくれたようで、講師としてはとても手ごたえのあったWSとなりました。体験からの学びほど価値のあるものはありません。
といっても今回やってのは、チェーホフ テクニックの入り口でしかありません。4月より始まるチェーホフクラスで生徒としっかり学んでいければと思っております。