【目的】テキストを使って、総合的な実戦スキルを養う。上級者個々の課題を克服し、相互に高め合いながら、演技の質を向上させていく。
このクラスでは、A4サイズ1枚~3枚程度のテキストを使います。テキストは、舞台の脚本から映像の脚本、独白などが中心です。1つの作品に対して2~3ヶ月程度稽古を積みます。テキストには難易度が示されており、初級者向けの★1つから上級者向けの★5つまでレベルがあり、その年の受講者に合わせて難易度を調整していますが、基本的には年間の中で色々なレベルのテキストを体験することになります。
事例1 シェイクスピア作「お気に召すまま」
テキストはA4サイズ1.5枚分の容量を二種類用意して、取り組みました。抜き出したのは第三幕第二場。
コリンとタッチストーンのコミカルなシーンのテキストと、オーランドーとロザリンドの主役二人のテキストです。
コメディならではのテンポ&リズムや、即興的な受け答え、周囲のイメージと動きの連動、自然でリアルな台詞術、相手役との位置取りなど様々なテーマが浮かび上がってきます。
実践していく中で、たくさんの演技における課題が浮かんでくるので、作品をこなすほど、様々な演技術を吸収し、磨いていくことが出来ます。
事例2 「Hyper Impro」「Interview Impro」「Indian Impro」「Silent Etude」
別役慎司によって生み出されたオリジナルの高度即興ワークも時には行います。様々な役作りをした上で、事前に設定したキーワードを即興の中で話題として盛り込む「ハイパー・インプロ」や、相手に言わせたい言葉を事前に設定し、即興の中で相手に言わせるように誘導する「インディアン・インプロ」、与えられた状況設定のもと無言で効果的に表現する「サイレント・エチュード」など、他のクラスでは味わえないオリジナルメソッドもあります。
バリエーション豊かなレッスンには、創意工夫が散りばめられています。
事例3 別役慎司作品「OUT OF IDEA」
劇作家でもある別役慎司の創作作品や、古典戯曲を現代劇化させた台本などもよくテキストとして使われます。ただ、練習していくだけでなく、時には設定を書いたクジを引いて、書かれた設定に合わせて演技をしたり、ビデオカメラで撮影したり、内容は本当に様々です。例えば、「OUT OF IDEA」という作品を取り上げたときは(これは抜粋ではなく、16分ものフルで行いました)、映像に撮って、youtubeにもアップしています。
クジ引きや映像など手法も様々。テキストも劇作家である別役慎司が作成していて、古典戯曲も生きた台詞で学ぶことができます。
過去のテキスト例
- "The Real Thing" by Tom Stoppard
- "The Lover" by Harold Pinter
- "Ivanov" by Anton Chekhov
- "Suddenly Last Summer" by Tennessee Williams
- "Lovely Life" by Shinji Betchaku
- "A Midsummer Night's Dream" by W.Shakespeare
- "Death of A Salesman" by Arthur Miller
- "Get! Up!" by Daisuke Habara & Kazuyuki Izutsu