なんのための芝居?
世界を見れば、もっととんでもなく素晴らしい芝居はたくさんやっているわけですが、
日本の場合、低質・低俗な芝居に、わんさか客が入っているし、
主催者の思惑通り、利益も出せていたりします。
しかし、彼らは「なんのために」演劇公演をしているのでしょうか?
名を売るためだとしたら、なんのために名を売る必要があるのでしょう。
低質・低俗なレベルで名を売ってなんのためになるでしょう。
お客が入るというのには、いくつか理由がありますが、
質が高いからとか、本物の舞台が観られるから、
という理由でお客が入ることは、とても少ないように思えます。
まったく違う理由でお客が入っていると、
お客が入ることを正当化するとき、同時に間違ったものを正当化してしまいます。
例えば、「やはりルックスのいい役者を入れなければいけない」とか。
ぼくの「なんのために」は、ひとつには、
日本でも質の高い・本物の舞台を観せて、高いレベルの体験をしてほしい
ということです。
そこには、また別次元の感動や充足感があります。
この「上のレベル」を知らないのです。
これを実現するには、俳優やスタッフの実力向上、理想的な劇場空間、
優れた脚本と優れた演出家が必要になります。
とびきり上質の舞台にこそ、お客が入ってほしいのですが、お客を入れることに価値観を置いてしまうと、とびきり上質の舞台は創れないでしょう。
そこには厄介なジレンマがあります。
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