クレイジーだったロサンゼルスをあとにし、飛行機で5時間ほど。
ニューヨークに着きました。もう空港から違いますね。洗練されていて、ちゃんと標識がある。
ホテルは疲れが溜まっていることを想定して、アクセスもよいニューヨーカーズホテルに。
四つ星です。バスタブつきがありがたい。
一日目は移動で終了。
2日目からいよいよワークショップのある日です。午前中はポールと会って、朝食を。
一眼の充電器が電圧の違いで壊れて、もうほとんど電池が残ってないので、
だいたいスマホで撮影しました。
ポールはニューヨークにも住んでいました。AIDAのニューヨーク校を開いていたんですね。
最初はビラ配りから始めたそうですよ。
グランドセントラル駅で朝食をとったあと、ポールとは別れて、
ひたすらマンハッタンの南へ向けて歩きました。
かつて18年前に訪れたときも、ワールドトレードセンターまでひたすら歩きましたが、
今回も同じように歩いて街並みを見ながら、ワールドトレードセンター跡地を目指しました。
かなり印象は違います。街の空気が変わったというのもあるし、
ぼく自身が成長したというのもあります。25歳のときの感覚とは違いますね。
「都会の孤独」というものをすごく感じた街ですが、今は住めるなと思います。
18年前には最上階まで登ったワールドトレードセンターのツインタワー。
今は新しいワールドトレードセンターが一棟建ち、グラウンドゼロが残っています。
ここまでの街並みを歩いてみて、あの巨大なビルが倒壊していく姿を想像すると、
本当に映画の中の阿鼻叫喚絵図です。
ここまでの寄り道でいうと、モーガン美術館に行きました。
たまたまグランドセントラル駅に行く途中で見つけたんですが、
ちょうどテネシー・ウィリアムズ展がやっていたので、20ドルとちょい高かったですが、
入りました。
それから、たまたま、American Academy of Dramatic Artsという、アメリカのRADA版の
演劇学校を発見しました。ホント、強烈な引き寄せの法則が働いています。
中に入って、パンフレットをもらいました。伝統校という雰囲気が漂っていました。
地下鉄もちょっと変わりましたね~。もっと暗い印象でした。
日本と比べるとまだまだ暗いですけど、日本が便利すぎるんでしょうね。
行き先の表示もあってありがたい。
演奏家もいろんな駅でいました。
ブルックリンのダンボでアポイント。ゆったりとした時間で行って、ブルックリン橋付近の景色とか見たかったんですけど、道が鬼畜なくらい入り組んでいて、目的の場所を探すのに30分くらいかかってしまいました。目的の場所を見つけた後、軽くコーヒーを。
演劇教育の団体、Child’s Playの校長Jocelyn Greeneさんのインタビューをとらせてもらったあと、
教会に移動して、1時間ばかし授業を見学させてもらいました。
撮影はNGだったので、公開はできませんが、なかなかよかったです。
演劇教育関連の仕事もしてきましたよ。
さて、夜はいよいよニューヨークでのワークショップです。
PM6:00に通訳の加治慶三さんとともにスタバで待ち合わせをして、軽く打ち合わせ。
というよりニューヨークの事情などを雑談で聞きました。
Keizoさんは、足かけ25年くらいアメリカにいます。ニューヨークの有名な学校の監督科を卒業し、
日本のワークショップで長さんとしりあっており、繋いでもらいました。
Champion Studioというレンタルスタジオで、いくつか部屋があり、いろいろレッスンがやられているみたいでした。ホテルからも近くて、便利です。
中は狭くて汚いという感じでしたね。ポールはここでAIDA校をやっていたそうです。
あっという間に、ポールの90分が終わり、ぼくの番へ。
内容は、LAでやったのと似ていますが、ちょっと変えています。HA!をやって、Psycho-Physicalに関するトークをしたあと、軽くムーヴメントをやり、チェーホフのセンターを意識してのWalking、そこにQualityも加えます。
後半は、ストッパードの「The Real Thing」を使って、まず発表してもらった後、次はインプロとして演じてもらい、自由に創造するということ、いかに影響を受け合うかということを教えていきます。
今回は、たっぷり一組ずつ、フィードバックを入れていきました。
人数は7名でした。LAよりは少なかったですけど、スタジオのサイズ的にはピッタリくらいでした。
ロサンゼルスとニューヨークの俳優の違いも感じました。
ニューヨークのほうが種々雑多入り混じっているような感じでした。
やはり感情のスイッチはすぐに入る。身体への意識は足りないように見えます(太っている人とか多いですしね)。ロスのほうが俳優のレベルは高かったですけど、それでも学んでいる人は相当学んでいるなぁと思いました。
大成功だといえるのではないでしょうか。アンケートの評価も総じて高かったです。
終わった後は、LAのときと同じように、お店へ。ピザショップで1時間くらい過ごしました。
これでニューヨークの演技指導も終わり、総計3日間のアメリカでの指導が終わりました。
ニューヨークの時には、もう緊張は全然ありませんでした。
2回やってるので、慣れてましたね。堂々と楽しみながらできたと思います。
改めて、ニューヨークでも通用する手応えを得ました。
たくさん学んでいるアメリカの俳優が、他の講師たちと比べてもポールやぼくらが良いといってくれるのですから。
翌日はアポイントデー。
しかし、なんと雪の日! 朝から向かったのは長さんも通っていたHB Studio。
ウタ・ハーゲンのところですね。結構有名で、日本でも多くの生徒が通っています。
Hugh O’Gormanの紹介で、Carol Rosenfeldさんを紹介してもらい、
本当にたまたまこの空いている午前中に授業があるということでお邪魔しました。
最初オフィスに行ったら、聴講料として20ドル取られたんですけど、教室に連れて行ってもらい、
招待を受けてきていることがわかったら、すぐに20ドル返してくれました。
キャロルさんは、HB Studioで長年教えてきた伝説的な講師です。もうおばあちゃんなんですけど、
洞察力が素晴らしかったです。
雪のために、クラスを中止にするという旨のメールを送ってもらっていたみたいですけど、
知らずに到着しました。すると、彼女もいたし、数名の生徒がいて、クラスは行われたので良かったです。
授業はシーンスタディとして、ワーニャ叔父さんのシーンを2人が。1人はアシスタントティーチャーをしている人が演じていました。
それから、ノエル・カワードのVortexという作品の読み合わせだったり。バーナード・ショーの「聖ジョウン」だったり。3時間の授業でした。
こういう劇場風のところがレッスンスタジオにもなっているんですね。
暖炉やドアの小道具など、できる限りリアルなセットにできるのが特徴的で、役者たちもできる限り衣裳や小道具を完全に用意して、食べ物などもリアルなものを用意していました。
シーンスタディの洞察力と指摘は素晴らしかったのですが、ほぼ同じようなことを思って見ていたぼくも、改めてアメリカでも一流の部類に入れる自信を軽く得ました。
シーンスタディは経験とセンスがとても大事。特にスタニスラフスキー観点からの指摘が多かったと思いました。
キャロルさんは本当にお芝居が大好きなんだなぁと感じました。いい演技をしているときの喜びようがよかったですね。高齢なので、時折、言葉が詰まったり、生徒たちがいっていることを理解しようとしている光景もありましたが、暖かみがにじみ出ていました。
記念撮影も。伝説的な講師に温かく迎えて頂き、授業中も何度も話しかけてくれたりして、本当に嬉しい思いでした。しかも、本のプレゼントというサプライズも!
キャロルさんの本はサイン入りで。嬉しいですね。
日本人俳優の古舘 寛治さんとかなり昔親交があって、一夏を日本で過ごしたといっていました。
古館さんともお会いしたいですね。
PM2:00には歩いて10分くらいのところの、マイケル・チェーホフ・スタジオへ。
マイケル・チェーホフの伝説的な講師Lenard Petitさんの授業見学の予定だったのですが、
扉は閉まっており、時間が近づいても、誰も来ない。
これは……あれだな、と思いました。
隣がルドルフ・シュタイナーのブックショップになっていて、そこのお店の人に尋ねたら、
今日は雪のため中止であると。電話を繋いでくれ、レナードさんと話しました。忘れていたみたいで、謝られました。いやぁ、残念。翌日には発たないといけないので、今回は諦めました。
時間をもてあましたので、ニューヨーク近代美術館MOMAに行きました。
日本でもCMでやってたやつですね。モネの巨大な睡蓮とか、プレゼンの授業で使っている絵とかもあって、それなりに堪能。
しかし、雪がすごいことに。
革靴と折りたたみ傘という装備だと、本当につらい。
夜は舞台を見に行く予定でしたが、一回ホテルまで帰って、風呂に入ることを選びました。
靴の中もみぞれ状態で、やばかったです。
舞台は、「Farinelli the King」というもので、イギリスの有名な俳優さんマーク・ライランスさんが主演。アメリカっぽい舞台ではなかったので、見やすかったですが、ちょいちょいお客いじりがあったり、笑いがないとダメな国だなぁと思いました。
あと、なんでもかんでもスタンディングオーベーションする習慣をやめてほしい。
帰りはガクガクブルブルして帰りました。
もう身体が冷え切って限界。
ということで、ニューヨークの旅もおしまい。
翌日午前中の便で日本に帰りました。
雪がやみ、爽やかな早朝で、飛行機もちゃんと飛んでくれてよかったです。
本当に充実した二週間のアメリカツアーでした。
[…] ニューヨーク編へ続く […]
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