アメリカ演技指導ツアーを完遂! 【前半】

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スーパー濃密な約二週間のアメリカツアーが終わり、無事日本に帰ってきました。
合計3日間の、本場アメリカのプロ俳優を相手にした演技ワークショップ、成功しました。
まったくもって異例の、もしかしたら日本人初かもしれない、日本人が日本語でアメリカ人に演技を教えるという企画でした。

場所はハリウッドとダウンタウンの中間くらいにある劇場型のStudio / Stageというところでした。
2月26日は、ポールが前半の90分を担当し、ぼくが後半の90分を担当しました。

写真を見てもわかりますが、年齢層は高め。
本当に現役バリバリのプロの人たちです。
本気で学びを深めないと、このロサンジェルス、ハリウッドでは仕事を獲れません。
日本のようにルックスだけで実力ないってんじゃ通用しないわけです。
かなりレベルが高い人たちでした。

通訳は元スクール生の長真由さん。現在は、サンタモニカのロサンゼルス・パフォーミング・アートセンターに通っています。その前はニューヨークのHB Studioに通っていました。

しかし、風邪をこじらせていたということもあるし、本場の俳優の圧力に負けてか、通訳が全然機能せず、ぼくのプランも崩れ、あまりいいワークショップになりませんでした。通訳を気にして、日本語で考えることに集中できず、改めて通訳の大変さと重要さも知りました。

終わったあとには、近くのタイ料理のお店で食事。
生まれて初めてのアメリカデビューが終わり、かなり疲れました。
実績作りに来ましたが、アメリカは実力主義の社会。
マジで本気でかからないとヤバいなと思いました。

5日間のワークショップは1日目が、ぼくとポールの分担。
2~4日はポールの単独ワークショップ。
最終日がぼくの単独ワークショップです。
時間を見つけて観光などもしました。

インプロで有名なセカンドシティも発見。
パフォーマンスは時間が合わず観に行けませんでした。

日本からは元スクール生の工藤杏子も日本から一人で来て、
3日目から5日目までの3日間受講しました。
英語で授業を受け、英語で演技をして、とても頑張っていました。

ハリウッドのオスカー前パーティー!
S級の美女もバンバンやってくる。クソ寒いのに、すごいドレスでお出まし。
いやぁ、すごかったです。

 

ぼくはInternational Acting Teacherということで招待扱いで行けました。
レッドカーペットで写真も撮りましたよ。ハリウッドの業界関係者だらけのすごい世界を見た感じです。


サンタモニカのビーチは最高でした。
こちらでは、長さんが通っているLAPACを見学。校長のナタリア・ラザラスさんのマイズナークラスを見学しました。ナタリアさんは、日本でも教えたことがあるらしいです。ここは、20名中日本人が4名もいました。

マイズナーはシアターゲーム的なノリでトレーニングを積むにはいいでしょうけど、スタニスラフスキーから派生したとは思えないものです。ポールなんかはADHD患者向けのメソッドだとまで酷評しています。まぁ部分的に取り入れるのがいいでしょうね。
長さんと3/2のクラスの打ち合わせをしたかったのですが、体調がひどく、断念しました。

翌日、ロサンゼルスを南へ。ロングビーチのカリフォルニア州立大学へ行きました。
ウルリッヒ・マイヤー・ホーシュさんの紹介で、Hugh O’Gormanさんのクラスを見学に行きました。

彼はハリウッドでプロ俳優も教えているのですが、カリフォルニア州立大学演劇科のヘッドティーチャーでもあります。

最初の30分は、マイケル・チェーホフのセンターやRadiation Flowingら、デヴィッド・ジンダーのFast Walk-Freezeなどがミックスされたワークで、生徒たちは慣れた感じでやっていました。
途中合気道から派生したアクションなどもあり、面白かったです。

一人、日本人がいました。森田麻琴さんです。
英語がペラペラで、豊かな表現でひときわ輝いていました。奇跡的な出会いでした。
もう、通訳なしで、独力で明日はワークショップをやるかと腹を決めていたところ、
彼女が急遽、通訳に来てくれるということになったのです。

授業もVIP席で見学させてもらえ、更にMakotoさんのシーンスタディも見ることが出来ました。
非常に才能あふれる逸材で、素晴らしい演技でした。
Hughもナイスガイで、授業後タイ料理をごちそうになりました。
いろいろな演技談義をしました。日本の事情なども伝えました。

ランチ後、ロングビーチの港まで車で送ってもらいました。
本当にこうして出会えたことをお互いに感謝しあい、素晴らしいコネクションがつくれました。
Hughに、ニューヨークではHB Studioに見学に行くといったら、
「Carol Resenfeldという素晴らしい先生がいるので、是非連絡を取ってみては」といってくれました。これがニューヨークでのまた素晴らしい出会いになるのです。

中編へ続く……