長らく色々な俳優を見てきて思うのは、

彼らは「演技力を向上させたい」と口ではいうものの、

決してその大事な願望が第一優先になることなく、

実際の所、「出演したい」「仕事がほしい」「自慢したい」「自分が輝いている証がほしい」

と思っているわけです。

こちらのほうが本音なので、

いつも「演技力を向上させたい」は後回しです。

いってみれば自己満足のほうが何倍も願望として強いわけです。

本当に、俳優としてのプライドがあり、質の高い演技で人の心を動かしたい

と思うのであれば、

中途半端な実力で、ほいほい出演したいと思わないはずです。

自分で演技力が欠けていることを自覚していながら、

出番があればほいほい出たいと思うことこそ、

自己満足優先の証です。

ビジネスであれば、「とにかく売れればいい」「業績を上げたい」

とばかり考えている人たちです。

本当に長期的に成功している経営者は、

「いかに人に貢献できるか」を常に考えています。

俳優も同じように、本当に長期的に成功を収めたいのであれば、

自分の演技を通して「いかに人の心を動かせるか、いかに人に貢献できるか」

を考えてほしいものです。

そのためには演技力が必要です。

だって、俳優は演技をする人ですから。

どうして演技力を真剣に磨こうとしないのか、ぼくにはさっぱりわかりません。

「とにかく売れればいい」と、人を騙してでも稼ごうとする

悪徳商売の人たちと、根本的にはそんなに変わらないと思いませんか？

人に与える仕事をするのであれば、

あなたのツールを誠実に磨き上げることです。

ビジネスであれば、あなたの商品やサービスを。

俳優であれば、演技力を。

何度もいっていますが、

才能以前の問題で多くの人がこの道から去っていきます。

近年は、現実ばかりを直視して

自分の軸をいとも簡単に崩し、

金銭問題や健康問題に飲み込まれて

ドロップアウトする人が多いですね。

夢を追う人がとてもとても少なくなりました。

社会･経済と関係がありますが

そんなことは無視してでも夢を追わないといけません。

現実に立ち塞がる問題ばかり見ていて

人より演技力が向上することはありません。

才能以前の問題といいましたが

世の天才といわれる人たちこそ

現実よりも夢にフォーカスを当ててきた人たちです。

人と話すときの距離は、人の心理や文化･習慣に左右されます

人とのコミュニケーションが苦手な人は、

距離感が人と違っている場合が多いものです。

日常生活のコミュニケーションから得るものは多く、

意識的に経験し、主観的・客観的に観察してください。

舞台や映像においては、この心理的距離感と関係なく、

演出的な意図で定められる場合があります。

そのとき、俳優としてはやりにくさを感じるかもしれません。

しかし、演出家は引いた構図で考えているので、

俳優としては対応しながらも、リアルな感覚を保たなければいけません。