ラブリー・ライフ
           
           
           
           
別役慎司          
笠島清剛 多田英雄 徳永裕実 岡本美雪 坂元郁子 神保明子
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STONEψWINGS
          第4回公演

   「ラブリー・ライフ」

2003年
10月24日(金)〜26(日)

作・演出……別役慎司
照明……榊原大輔
美術……青木拓也
音響……水谷正慶
舞台監督……山口幸恵
制作……STONEψWINGS

劇場……シアター風姿花伝


ノボロー(藪田登)
     ……笠島清剛
トモヤ(新塚智也)
     ……多田英雄
アキ(藤島愛希)
     ……徳永裕実
ノリコ(倉則子)
     ……岡本美雪
サトミ(遠藤里美)
     ……坂元郁子
ヤマダ(山田芳美)
     ……神保明子

 

(あらすじ)
  現代人のための恋愛コンサルティング会社を設立したノボロー(28)。大学時代の後輩
トモヤ(25)が入社し、天然キャラの事務員ヤマダの巻き起こすトラブルにもめげずに、恋愛相談や、恋愛セッションを行う。しかし、アキは途方もなく細かい条件で一週間以内に理想の男性を探せといったり、無口で自閉的なノリコが突如フラッシュバックし、リストカットしそうになったり、サトミは奥手かと思いきや深刻な男性恐怖症だったり、会員の対応は一筋縄にいかない。理想通りにいかないノボローは彼女らの存在に頭を悩ませるが、逆にトモヤは勉強してとことん面倒を見ようとする。二人の間に理想と現実のズレがある。アキのパートナーが見つからないノボローは報酬50万のために、とうとうトモヤを理想の男性に偽らせる。しかし、最悪なことにヤマダがトリプルブッキングを起こしてしまう。ノボローはサトミに奥手克服セッションを、と同時にノリコが暴走したときはヒゲをつけてパパを演じる。トモヤはアキの前で金髪のカツラをかぶり、理想の男性トモナリを演じながら、ノリコのコンサルを行う。事態は大混乱大波乱の展開へ。
(作品の特徴)
  別役慎司27作目。コメディー。二作執筆した「ラブリー・ライフ」のこちらは「T」にあたる(先に上演したため)。
  シンプルな舞台装置で、スピーディに展開する連続シーン構成。間とテンポが生み出す笑い、状況を構築した笑い、ファルス的な軽い笑い、と面白い要素は満載。特に、クライマックスの大混乱は、見応え有り。
  しかし、コメディーとはいっているが、トム・ストッパードらがいっているようにpain(痛み)もコメディーの要素である。コメディーのフィルターをかぶせているが、現代人の精神的な悩みや孤独、理想と現実と絶望らが垣間見える。「人間を描くこと」にこだわり、表面的な「笑わせるための笑い」にならないよう充分に配慮した。キャラクターは宛書きのため、俳優陣の個性と力量が無理なく充分に発揮された。


チラシ表    チラシ裏     写真館