ハッピィ・バースデイ・トゥ・ミー


催物名称 STONEψWINGS第三回公演
     「ハッピィ・バースデイ・トゥ・ミー」
後援 ブリティッシュ カウンシル
上演作品名 「ハッピィ・バースデイ・トゥ・ミー」
原題:Just Between Ourselves
作者:Alan Ayckbourn
訳・脚本:別役慎司
翻訳参考:「アラン・エイクボーン戯曲集」出戸一幸訳
公演期間 2003年3月12日(水)〜13(木) 
      12(水)……開場18:00 開演18:30
      13(木)……開場17:30 開演18:00
公演場所 彩の国さいたま芸術劇場小ホール(266席−α)
料金 1900円(税込み)
上演時間 120分(15分間の休憩を含む)

【キャスト】
デニス 別役慎司
ベラ 小川友子
ニール 多田英雄
パム 徳永裕実
マジョリィ 岡本美雪/前田有紀(Wキャスト)

【スタッフ】
演出 別役慎司
舞台監督 村上宰和
照明 榊原大輔
音響 水谷正慶
美術 青木拓也 
制作指揮 別役慎司
制作 徳永裕実(会計)/小川友子(宣伝)/別役慎司(チラシデザイン)

【作者】
  アラン・エイクボーン(Alan Ayckbourn)1939〜
  イギリスの劇作家、演出家。ロンドン生まれ。ステージマネージャー、音響、照明、装置、小道具、俳優、演出など様々な形で演劇に携わってくる。1958年から劇作を始める。1990年から彼の師であるスティーヴン・ジョーゼフの円形劇場において芸術監督を務め、本拠地としてスカーバラで活躍する。一方ロンドンのウェストエンドやナショナルシアターでも多くの作品が上演されている。彼の作品は約三十カ国に翻訳・上演されている。現在作品数は60強。1997年にはナイトに叙せられる。

【作品概要】
  1976年初演。1977年度の「イヴニング・スタンダード・ベストプレイ」に選ばれる。元来喜劇作家として名声を築いているエイクボーンだが、この作品は喜劇的なタッチながら、悲劇的な、美しくも悲しい作品に仕上げている。


ステージPHOTO             チラシデザイン
【あらすじ】

  第一幕第一場は、デニスとベラ夫妻の家に、個人広告を見て車を購入しにニールとパム夫妻がくる。この日はパムの誕生日であり、ニールはパムのプレゼントにと思うが、パムの方は乗り気でない。デニスがあれこれ車をアピールするが、結局買うのを持ち越す。デニス家は、ベラが精神的に病んでるにもかかわらず、デニスの何でも笑い飛ばすような性格と、姑の(本公演では設定を妹に変えている)マジョリィが間にいるために、関係がうまくいかない。ニールとパムは、夫婦の危機の崖っぷちにある。パムは、子育てや主婦業でアクティブに行動できない状況に苛立っている。ニールはパムとの関係を改善させるよう苦心するが、彼の行動はパムを苛立たせるだけで、とりつく島もない。

  第二場では、庭で両夫妻とマジョリィを加えて、デニスの誕生日を祝うティーパーティーが開かれる。三カ月が経っているが、車は売れていない。デニスとニールは仲良くなっており、デニスはニールにいい儲け話を紹介したりする。パーティーはマジョリィの陰険で嫌味なベラへの攻撃のため、ベラは取り乱し、紅茶をこぼしたりする。そんなときでも、デニスは大笑いしてしまい、ベラを傷つける。

  第二幕第一場は、さらに五ヶ月が経ち、ニールとマジョリィが誕生日を迎える。ガレージでニールはパムとのことをデニスに相談するが、デニスはマジョリィのプレゼント作りや演出に集中していて真剣に聞きはしない。ニールとパムの修羅場が始まっても彼はその場を理解していない。彼の楽観的な性格は静かに二人の夫婦の崩壊を助長させている。ニールの消極さを無関心と捉え、魅力がないのだろうかと悩むパムはデニスに助けを求める。車の中で彼女がぐったりしたとき、デニスがシートベルトを外そうとするが、ひっかかって服がはだける。その現場をマジョリィとベラに目撃され、勘違いを生む。

  第二場で悲劇は収縮に向かう。マジョリィに浮気の現場を見せられたと勘違いしたベラは鬱病が重くなり、ほとんど喋ることができず庭に座っている。そんなベラの誕生日に、ニールとパムが久しぶりに訪れる。すでに二人は離婚している。しかも、ニールは財産をつぎこんだ儲け話で、投資者に金を持って逃げられている。デニスとマジョリィは、事件以来思いやりを持ってベラに接するようになっている。ニールとパムは、別れたがお互いの未来のために、また二人で暮らしている。車は結局売られることはなく、ガレージに置かれたまま。