AIDA校長との会合

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金曜日に、全米四カ所(ロス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ)で運営するAIDA(オーストラリア式演劇学校)校長のPaul Parker氏と会いました。

本当は前の週の金曜に会う予定だったのですが、1時の約束のはずが、なぜか向こうは11時だと思っていて会えませんでした。
ホテルに資料は預けたのですが、是非会えないかということで、もう一度約束を。
金曜の2時、蒲田のホテルで彼と会いました。
通訳には松村さんが同行。

ポール・パーカー氏は思っていたとおり気さくな人で、50歳になるといっていましたが、30代といわれても全然不思議ではない若さでした。

AIDAでは、世界中から生徒が集まっていますが、近年アジアからも増えており、特に中国からが多いようです。日本からは1人、2人ぐらいしかおらず、今後日本からも生徒を呼び込みたいようです。
そして彼も日本で教えることにとても興味をもっており、2011年に2週間くらいワークショップをやりたいといっていました。

日本の中の幾つかの団体と接触しているようですが、STONEψWINGSアクティングスクールは、私塾といっていい小さなスクール。規模が小さいのですが、そんなことは全然構わないといった感じで興味をもってもらっています。

日本は俳優訓練が確立されておらず、スタニスラフスキーすらまともにやっていません。
本当に古いやり方のままなのですが、オーストラリアは独自なものがないぶん、世界の俳優訓練が流入しているようで、彼はスタニスラフスキー、グロトフスキー、ブレヒト、ラバン、ルコックなどを教えるそうです。

知ってますか、皆さん?
割と前衛的な手法です。

グロトフスキーなんかはちょっと古い印象も受けますが、アメリカは他民族国家だし、世界中から人を集めるとなると、その国の演劇事情も違うので、色んなメソッドに触れられるほうがいいかもしれませんね。

今後はSTONEψWINGSアクティングスクールを1年、または2年経ったあとに、AIDAに入校するとかも可能になります。
AIDAでは、演劇の学士を取得できるようにもなるので、長期のビザも取得できます。
そして日本人のスタッフもいるみたいです。

STONEψWINGSからAIDAという流れを作ったり、
ぼく自身がハリウッドに行って教えてみてはどうか?なんて話も出ました。

色々とエキサイティングな提案が出ました。
とりあえずは、来年ワークショップを開催するということが第一目標になるでしょうが、
STONEψWINGSとしては予算面で大丈夫かどうかですね。
まぁ、他の団体との共同開催になるでしょう。

しかし、AIDAでは先月だけで130人くらい生徒が入り、年間にしたら何千人という人が入っているようです。
実際に有名な映画に出演している生徒もたくさん出ています。
ポールが、ハリウッドのレッドカーペットで、ラッセル・クロウなどと肩を並べて写っている写真なども見せてもらいました。
オーストラリア人の俳優も、かなり活躍しているんですよね。

こういう素晴らしい学びの場を日本人でも得られるわけです。

しかしスクール生は、年がら年中「お金がない、お金がない」といい、バイトばかりで、全然集中的に演技の勉強が出来ていないですし、今「アメリカに演技修行に行けるけど行ってみるかい?」と行ったところで、ほとんどの人が「お金が……」「仕事が……」「言葉が……」で行くことはないでしょう。

人生負けていますよ。

妥協や諦めで成功できるわけないんですから。

ましてや競争率の激しい世界。

ぼくも松村さんも、ちょっと考えさせられました。

別役