梅雨に入って、雨が多いです。
稽古前、井の頭公園に行ってきたのですが、雨の日の紫陽花がきれいに見えましたね。
さてNOYのリーディングです。
NOYはフランスの演劇学校で長年勉強をしてきました。
プロ意識が強く、常にどのワークをとっても、
参加者全員に一プロを目指す役者としての姿勢、創造性、ユーモアなど高い意識を望みます。
きっとNOYが見てきた世界のレベルの演劇は、本当に真剣勝負の連続だったのでしょう。
手取り、足取りやられるより、刺激的で、研ぎ澄まされる感じで楽しいですね。
実彼のワークの種類が毎回かなり多く、書ききれませんが、今回は印象に残ったワークだけを書きます・
「不可能なワーク」
人数分+一脚のイスを等間で隔横一列に並べます。
端の一脚だけをのこして参加者が座り、
そして、合図をしないで、同時に立つ、横の椅子に移動をし、再び座るのです。
このワークの目的は「コネクション」。
極限まで集中力を高めて、動きを同時にするわけです。
ピーターブルックは、こういった種類のワークには、
何千羽という鳥が右へ左へ同時に動くような、集合した意識が必要、
だといっていました。
NOYはこのワークを不可能なワークといっていました。
実際やってみたらわかるのですが、なるほど、不可能というのは、うなずけます。
今回は4人でやったのですが、立ち上がるのも「セーノ」の合図がなしでは立ち上がれない。
横に動くなんて、隣の人とぶつかり合ってできません。
同時に座るなんて考えられない。
と初めは思いました。
しかし、鳥のような、一羽だけど集団と同化したような意識。
隣の人の息遣いまで感じられる集中力。
動きがきれいに連動するシンクロ。
結果は少しづれたり、予定調和的になり、まだまだでしたが、コネクションはリアルに感じられました。
どんなワークも無限の楽しさがあります。
大人になると「大体こんなもの」と結論付けてしまいがちですが、
NOYのリーディングはそんな考えを常に超えさせてくれます。

