世界から学ぶ演劇特論~アルトー編~

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演劇特論3回目はアントナン・アルトー(1896-1948)
バリの演劇などに影響を受け、「残酷演劇」を提唱した俳優・詩人・演出家です。

アルトーの著書「演劇とその分身」から勉強しました。

残酷…
というだけあり、非常に過激で刺激的な強い言葉で語られています。

「残酷という要素がなければ演劇は不可能である」

アルトーは、
人間は本来残酷で、偽善という仮面をかぶっている。
演劇はその仮面をはがし、真実を暴くことができる。
と言っています。

また、演劇をペストにたとえ、
演劇は非常に強力な伝染病で、
そのあとには死か、完璧な浄化があるとも。

たしかに、人間にはみな誰しもが嫉妬や憎しみなどの
「悪」を持っていると思います。
演劇が自分を見つめなおすきっかけになることも多くあります。

そういった考えには非常に共感できますが、
どうしてここまで極端な思想になってしまったのでしょう。

彼は幼少期に髄膜炎を患い、
その後遺症の痛みのため、生涯阿片などの麻薬を服用していたということです。
そういった苦しみが「残酷」へとつながったのでしょうが、
何となくそれだけではないような気がします。

しかし、アルトーは本当は人間の善を信じていた、信じたかったのかもしれないな、と思います。
人間の偽善をあばいき、浄化されたら…?
そこに善を見つけたかったのかもしれません。
そう思うとますます興味深いです。

ちなみにアルトーはこちらの作品に出演しています。


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