世界から学ぶ演劇特論~スタニスラフスキー編~

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ヘ~クション!くしゃみが止まりません。そう私、秋江は花粉症です。

さてそんな、私にとってあまりうれしくない時期に、世界の演出家や作家から学ぶ「世界から学ぶ演劇特論」クラスがスタートしました。

このクラスは教えてもらうというより、むしろディスカッションをして考えを深めていく方式をとっています。

(私、個人としても、ただ教えられていい気になっているより、意見をぶつけ合わせ自分の理解を高めるほうがいいと感じますね。)

 

この全部で4回しかないのですが、第一回目は近代演劇の礎を築いたスタニスラフスキーです。

 

正直皆さんは、彼の演劇にどのようなイメージを持っていますか?

私自身、簡単に「すごく内的なことを大切にする演劇」だと考えていました。

 

しかしそれほど単純なものでありませんでした。

すごーく簡単ですが、彼の発言数々をを挙げながら、その演劇観の変遷を見たいと思います。

 

始めのころ彼は実は内的なところからではなく、全くの外的なところから演技を作り上げようとしました。

マイニンゲン一座というところから、演出家の言うとおりに役者を動かす「演出家の独裁制」を敷いていたことです。

 

「私は要求し、(役者を)自分に従わせた。~~~~中略~~~~彼らは私の指示を感情で理解するほどには成長していなかったのである。」

 

そしてすぐに身振りや、言葉の抑揚、表情などから作り上げることについても、

 

「これも可能な方法ではある。しかし最良の創造の道とは言えない」

 

といっています。そこで彼は、1900年代終わりごろからシステム形成に着手を始め、

それまでとは打って変わり、強制的ではなく、役者の創造性を尊重して、内から外への演技へと見直したのです。

そのために役者本人が役の精神内容に近づくために、「テーブル稽古」を設けました。

そこで役者は作者や役の深い理解が得れるのです。

しかしこれ方法にも問題がありました。

 

「何らかの重要な情報が俳優の心の中に投げ入れられ、それが創造上役立つこともある。

しかしそれ以上に、不必要な、余計な情報、考え、感じが入り込むことが多い」

 

そこで彼は、舞台上の俳優の有機的に形成するためには、知覚することと身体過程が重要ととらえました。

つまり心理的なものと身体的なものの、統一が必要とわかったのです。

 

「とらえにくく、定着させにくい内面要素の領域にいるよりも、身体領域にいるほうが、私たちはよりよい創造ができるし、機知にも富み、自信を持てるのである。」

 

かれは初めのころの舞台の作り方の間違いを認めはじめ、分析と総合、体験と具象化は、二つが一緒になって単一の創造過程を構成できると気づいたのです。

 

実に彼は様々な思索と実証を繰り返し、ようやく私たちが知るところの豊かな演劇があると思うと、改めて彼の偉大さを感じます。

さて次回は「フリードリッヒ・フォン・シラー」です。SKY SOART Ψ WINGSも彼の「ドンカルロス」をやりましたね。

楽しみです!