アレクサンダー・テクニーク
(Alexander Technique)

1.アレクサンダーテクニークとは?

Frederick Matthias Alexander(1869〜1955)が研究・発展させた、心と体のバランスを整え、緊張やストレスを取り除き、より快適に自分らしく生きるための考え方と方法。

Alexander Techniqueの効能
  ・より安楽に生活することが出来る。
  ・より自分自身に気づく。(身体的・精神的・情緒的)
  ・過度に緊張した筋肉の箇所を見つけだし、それを取り除くことが出来るようになる。
  ・エネルギーの浪費を抑え、より効率的な動きが出来るようになる。
  ・生活習慣のパターンに気づき、それを改善することが出来る。
  ・演技における癖に気づく。
  ・子供の時に持っていたしなやかで優美な動きを再発見する。
  ・自由になる。

 

2.なぜアレクサンダーテクニークは必要なの?

#日常生活を振り返ってみましょう。毎日の忙しさはどうですか?些細なことでイライラしたり、
  腹を立ててしまったり、宿題や仕事に疲れてしまったり、遊びに行けずストレスがたまったり、
  肩や腰、腕などが痛くてたまらなくなったり……。心の状態、体の状態はどうでしょう?

(原因−cause−)                   (結果−effect−)

どうやったら、改善することが出来るのか、具体的な案を出してみましょう。

 

 

3.現代社会の弊害

窮屈な日常生活→ストレス→病気の原因 e.g.胃潰瘍、頭痛、鬱病
学校や職場、家での悪い姿勢→病気や障害の原因

調和した身体機能、ゆとりある精神状態の必要性

→身体の自由さ+心の自由さ
→新たな可能性を開拓,自分に自信
→素晴らしい俳優になるための最も大切なベース

 

4.自分自身をチェックしてみよう

Observation」と「Awareness

@Standing
  ・立ったときの姿勢をお互いに確認してみましょう。
  ・バランス感覚をチェックしてみましょう。
    一本足で立ってみる。/つま先立ち、かかと立ちしてみる。/色々なポーズで立ってみる。
  ・一番安定した立ち方は? →電車の中で実験

ASitting
  ・座ったときの姿勢をお互いにチェックしてみましょう。
  ・座るときの癖を思い出してみましょう。

BBreathing
  ・床に寝そべって、呼吸を確認してみましょう。
  ・腹式呼吸を意識してみましょう。
  ・腹式呼吸で「ah〜」という音を出してみましょう。

CWalking
  ・歩き方をお互いに確認してみましょう。
  ・自分の癖を見つけてみましょう。

*「Faulty Sensory Perception」……自分の感覚と現実の状態にはズレがある。

 

5.生活を変える

Inhibition(抑制)」
  一度止まって行動を考える。→心の余裕、選択肢の拡大、緊張の除去、因習の防止

Direction(方向づけ)」
  姿勢や行動に注意を払う。首から背骨にかけてのライン、両肩・両腕・両足の位置、重心、体重、など一番大切な頭はもちろん、全体的な箇所に気を配る。
  また、小さな事でも行動に目標を持つ。生活の惰性に埋もれると、だらけるだけ。しかし、時間的な圧迫を受けない程度に目標の設定をゆるめる。

*「変えるんだ」という強い意志、強引な矯正は必要ない。自分の癖や緊張、ストレスに気づくことが一番大切。毎日の「Awareness」、これでいい。そうすると自然に変化が現れてくる。
  ただし、変わっていくには時間がかかるので、その点は辛抱しなければならない。いきなり変えようとすると、緊張やストレスの種となる。ゆっくりと自分自身に起こる変化を感じながら、新しい生活をエンジョイしよう。

Senses(感覚)」
  感覚のアンテナを広げる。外の刺激→内の刺激。
e.g. 外に出て、静かなところをゆっくりと歩いてみる。なにが見える。どんな人がいて、どんな様子
でどんなことを喋っているのだろう。また、どんな花が咲き、香りはどうだろう。昆虫はどんな生活して
いるか。

Habits(習慣・くせ)」
  意識できる習慣……タバコ、長電話、決まった座席など。
  無意識の習慣……肩に力が入る、うつむきがちの姿勢、頻繁なまばたきなど。
*特に、リラックスしているように見えても、悪い姿勢では知らない緊張がかかっている。
  長い習慣のなかで、知らず知らず身体面・精神面に悪影響を及ぼしている。

Choices(選択)」
  自由な思考を持ち、自分でよく考え、自らの判断で行動する。
  心の中で、「いい」「悪い」「つまらない」「こうしたい」「自分がやりたい」などと思っても、受け身の習慣 がついていると、行動に出すことが出来ず、不満やストレスのたまる原因となる。
  積極的に行動することは大切。しかし、周囲の状況や相手の心境などをよく推察し、考えた上で行動 し、自分の行動には責任を持たなければならない。

 

5.エクササイズ

The Semi-Supine Position

   1日20分

・首を自由にさせる
・頭を前方上に向ける意識を持つ
・背中を伸ばし広げさせる
・背が広がっている感覚を味わう
・膝が天井に向いている
・呼吸の深さ、早さを意識する

 

6.アレクサンダーの知恵を自分に

・悪い姿勢は、無駄な緊張を身体に与え、病気の原因になってしまう。少しでも長い時間いい姿勢
でいられるように、これから意識しましょう。
・時間に縛られないようにしましょう。きっちりとしたタイムテーブルで動くのではなく、ゆとりを持ちま
しょう。日々の忙しいスケジュール、これらを例え放り捨ててしまっても、そんなに影響はないもので
す。生活にかかる負荷を思い切って軽減しても構わないでしょう。
・趣味を持ちましょう。自分が楽な状態でいられる趣味を。
・視野を広げてたくさんの刺激を受けましょう。旅行に行ったり、美術館に行ったり、キャンプをしたり、
積極的に外に出ていきましょう。
・相手の立場に立つ考え方を身につけましょう。自分自身、一点だけの視点にならないように。
理不尽な気持ちが沸き上がったときも、考え方を変えたら解決できる場合もあります。
・部屋のインテリアや、枕など、生活空間をよりリラックスできる空間に変えていきましょう。

 

7.自分に目標を

自分が変えていきたいところを挙げてみましょう。

 

 

R.Brennan,1998,The Alexander Technique Practical Introduction,Element
J.Chance,1998,The Alexander Technique,Thorsons

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